くすりの株ノート

医療機器3社の配当比較:テルモ・オリンパス・ニプロ(2026年3月期)

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テルモ・オリンパス・ニプロの配当性向を比較しました。テルモが32.5%、ニプロが35.3%と利益に対して余裕のある水準で、オリンパスは56.6〜66.7%とやや高め(EPS予想に幅があり)です。3社とも医療機器という同じセクターに属しますが、事業構造と株主還元スタンスには明確な差があります。


財務データ比較(2026年3月期・第3四半期決算時点)

項目テルモ(4543)オリンパス(7733)ニプロ(8086)
対象期2026年3月期2026年3月期2026年3月期
年間配当(予想)30円(中間15円+期末15円)30円(期末のみ)28円(中間14円+期末14円)
EPS予想(1株あたり当期利益)92.20円45〜53円(幅あり)79.40円
配当性向(運営者算出値)32.5%(30÷92.20×100)56.6〜66.7%(30÷45〜53×100)※EPS幅のため範囲で表示35.3%(28÷79.40×100)
予想の時点第3Q決算短信時点第3Q決算概況時点(EPS幅あり)第3Q決算短信時点
一次情報(IR)テルモIRオリンパスIRニプロIR

※配当性向の計算式:年間配当 ÷ EPS(1株あたり利益)× 100
※オリンパスのEPS予想は第3Q時点で45〜53円の幅を持たせた開示のため、配当性向も範囲での表示となります。
※上記データは各社IR開示資料をもとに運営者が整理したものです。最新情報は各社IRページでご確認ください。


薬剤師×医療法人事務長から見た3社

調剤薬局のカウンターに立っていたとき、テルモの製品はあまりにも日常的すぎて「テルモ製品じゃない日はない」と感じるほどでした。インスリン用のシリンジ、点滴の輸液セット、採血管――どれも棚に並んでいるのが当たり前で、「テルモ=注射器」というイメージが現場では定着しています。歯科医療法人の事務長となった今も、局所麻酔の注射器まわりでテルモの名前を目にする機会は多いです。

オリンパスの内視鏡は、胃カメラや大腸カメラを受けたことがある方なら一度はお世話になっているはずです。歯科ではオリンパス製の診療記録用カメラを使う医院も増えており、「光学機器の会社」という顔が強い印象があります。ただ、過去に不正会計問題を抱えた企業だという歴史も事実です。現在は経営刷新が進み、内視鏡の医療事業に集中した事業構造に転換しています。

ニプロは注射針・透析関連機器・バイアル(薬を小瓶に入れる容器)など、縁の下の力持ち的な製品が多い会社です。調剤薬局の立場からすると、注射剤の小分けや無菌調剤で使う資材にニプロの製品が絡んでいることが多く、医療現場のインフラを静かに支えているイメージがあります。透析患者さんが多い医療機関では、ニプロの存在感はさらに大きくなります。

3社とも「医療機器」というセクターに分類されますが、得意領域は全く異なります。テルモは循環器・血管領域のグローバル展開、オリンパスは内視鏡の世界シェア、ニプロは汎用医療消耗品と透析の国内基盤。配当利回りだけを見るのではなく、それぞれが「病院のどの場面を支えているか」を思い浮かべると、事業の強さと安定性の読み方が変わってきます。


配当性向の読み方(医療機器業界の特性)

製薬業界と同様、医療機器メーカーも研究開発(R&D)と設備投資が収益を左右します。ただし製薬と違うのは、特許切れの影響が相対的に小さく、製造ノウハウや販売網・アフターサービス体制が参入障壁になりやすい点です。

配当性向が低い(30〜35%程度)場合、内部留保や設備投資・海外展開への投資余力があると読むことができます。一方で高い場合(60%超)は、利益水準に対して配当を手厚く保とうとしている姿勢を示す場合と、利益が一時的に伸び悩んでいる局面で減配しないように頑張っている場合の両方が考えられます。

オリンパスのEPS予想に幅(45〜53円)がある点は要注意です。これは第3Q時点でも業績の見通しに不確実性が残っていることを示しており、実際の通期EPS次第では配当性向がさらに動く可能性があります。最新の決算発表や通期修正を各社IRで確認することをお勧めします。


出典・参考情報


本記事のデータは各社IR開示資料をもとに運営者(薬剤師・医療法人事務長・FP2級)が手集計・算出したものです。情報の正確性・完全性を保証するものではなく、最新情報は各社の公式IRページでご確認ください。

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